2/18/2014

映画「そして父になる」がアメリカで公開されました!→→→アメリカ人の反応は?


バレンタインズディが終わった次の日曜日に主人と久々に映画館に映画を見に行きました。

その映画のタイトルは "Like father, Like son"です。日本語のタイトルは「そして父になる」です。
えっ?福山君の去年日本でヒットした映画じゃない?なんで今頃アメリカで一般公開しているの?」と未見であるこの日本の作品に好奇心満載で見に行ってきました。サンディエゴのダウンタウンに近いヒルクレストという町にある映画館で2月14日より1週間の上映です。

とりたてて私が注目したのは、この作品に対するアメリカ人の観客の反応です。日曜日の夜の上映だったので席の埋まり度は全体の3分の1ぐらい。日本映画なのに(たまたまなのか)日本人含めアジア人の姿はありませんでした。


劇場の入り口
 6時50分の回の映画を見ました!
     
本当におきた赤ちゃん取り違え事件を追ったルポライターの本を参考にして是枝監督が書いた一作です。シリアスすぎて途中退場してしまうアメリカ人も出るのでは…と心配しましたがさすがにそんなことありませんでした。

とても感動する家族ドラマ、カンヌで賞を取った、あの是枝監督の作品。。。ハリウッド映画に食傷気味でOzuやMizoguchiの好きなアメリカ人には見たい作品なのかなとも思いました。
テーマが重いこともあっていくらでも感情を爆発させたり、子供は泣きわめいたりと出演者がドラマチックに演じるということを期待すると、それは見事に裏切られてしまいます。
あくまで自然な演技、子供も大声で泣きません。2家族のそれぞれの性格、心の動き、など、その心情を台詞よりも視覚的に見せていく、本当にうまいです。静のカメラワークが見事です。こんな表現のしかたはアメリカ人にとって新鮮にうつることでしょう。

映画を見終わった後、一組のアメリカ人カップルと映画館のロビーで感想を述べ合いました。彼らの第一声は「これはパラドックスだ!」でした。
パラドックスという言葉は聞いたことあるのですが、本当の意味があいまいで、自宅に帰るなり意味を調べてみました。
パラドックスとは日本語で言うなら「逆説」という意味です。よく「鶏が先か卵が先か…?」と言う台詞もパラドックスですね。思い出しました。みなが納得をいく前提の中に推論を加えると「えっ?」と思うような考えが出てくるというものですね。

アメリカのタイトル"Like father, Like son"は日本語に訳すと「この父にしてこの子あり」という意味です。福山君演じる野々宮がやっと父になれたのはこの事件がおきたおかげという見方もできます。また血のつながらない息子のおかげでやっと父としての自覚に目覚める!?そう、この物語はパラドックスとして彼ら(アメリカ人カップル)の目に映ったのもうなずけます。

どちらかというとこの作品は、映画をよく見ているファンか、是枝監督ファン、もしくは業界の人には受けが良い作品だったように思います。あまり映画を見ない人にとっては物足りないという感想もあるかもしれません。

そんな中、ハリウッドでスピルバーグが早々にリメイク権を獲得したらしい…。どんな描き方をするのか期待したいところです。



追記:順次公開するようです。評判がよければロングランの可能性大ですね。